窒息する消費者行政
Oct
16
何度かこのブログで消費者庁構想に疑問を呈してたわけですが、ますますおかしなことになってきまし
た。
やはり、これは変だと思うのです。
兵庫県の幼児がこんにゃくゼリーを食べて窒息死した事故で、野田聖子消費者行政担当相は2日、製造元のマンナンライフ(本社・群馬県)の鶴田征男会長らを内閣府に呼び、再発防止策の徹底を要請した。同社は(1)外袋の警告表示を大きくする(2)小分けのミニカップ容器に新たに警告を表示する(3)外袋に「凍らせると詰まりやすくなる」との表示を追加する−−などの改善策を説明した。
このため、今回のような死亡事故を防止する取り組みが「生産者重視から消費者の安全を重視する行政への転換の象徴」(中堅)と位置づけられている。 そのためか、この日の会合では厚生労働省側が「製造中止や回収させる法制度はなく、強制力のない指導が限界」と説明しても、議員の怒号は消えなかった。 だが、新法でゼリーの形状などを規制するには「法の下の平等」という点で大きな壁が立ちはだかる。こんにゃく入りゼリーはだめで、モチは規制しなくてもいいのか−という問題だ。
実際、10日の調査会でも谷公一衆院議員が「モチは昔から死亡事故が多い」と指摘した。一方、野田聖子消費者行政担当相は10日の会見で「モチはのどに詰まるものだという常識を多くの人が共有している」と強調したが、「ゼリーだけを規制し、モチやアメを規制しない合理的な根拠は見つかりにくい」(厚労省)というのが実態だ。厚労省の調査では、平成18年中に食品を原因とする窒息で救命救急センターなどに搬送された事例は、把握できた計803例のうち、モチの168例が最多で、「カップ入りゼリー」は11例だった。
「モチはのどに詰まるものだという常識を多くの人が共有している」のなら、なぜ毎年モチで命を落とすお年寄りがいるのでしょうか。
ネットの普及により、生活者の持つ情報は飛躍的に増大しました。
情報量の増大は、進歩と混乱をもたらします。
90年代のバブル経済崩壊をきっかけに登場した「賢い消費」とあいまって、結果的に「消費技術」にかなりの格差が生まれてしまったのではないかというのが僕の仮説です。
問題はこうした「格差問題」に対して、行政が「護送船団方式」つまり消費技術の低いほうに合わせた規制を打ち出してくることです。国民全体の消費技術が低下し、企業における新製品開発意欲がそがれる恐れも十分あります。
だから重視すべきは「消費者教育」なのではないか。
いま、国がすべきことは
「食べ物を喉につめて死ぬ」ことのリスクを啓発することです。
一人の乳児の死を教訓として、お年寄りがモチで死なないようにすることだと思うのです。
ちなみに、こんな記事が出ていました。
野田氏は同年4月の委員会で、マルチ商法について「悪質な業者は厳しく取り締まらないといけないと思う半面、良質な業者も随分存在している。悪質な例ばかり強調されると、良質なもの、一生懸命頑張っている人のやる気をなくし、新たな産業をつぶしてしまう」などと、規制に否定的な立場から質問していた。
12年も前のこととはいえ、マルチ業者をこのように擁護するのであれば、同じ理屈を食品業界にも向けて欲しいものです。ぎょうざ、事故米そして冷凍インゲンと、他にやるべきことはいくらでもあるのに、たまたま農水省の管轄外だった蒟蒻畑を狙い撃ちするのはあまりにもバランスを欠いた行為だと思います。
![]()
- カテゴリ:課題
- タグ:消費者教育 , 消費者庁
- 投稿者 四家正紀|2008年10月16日 |トラックバック (3)




官製不況、コンプライアンス不況の一端ではないでしょうか。